レジ並びの才能

私にはレジ並びの才能がない。
どこに並んでも、一番遅い。
もちろんスーパーなんかでは、前に並んでいる人たちのカゴの中身の量をすばやくチェック、一番すぐに終わりそうなところに並ぶのであるが、しょっちゅうイレギュラーなことが起こって、結局一番遅くなるのである。

前でお会計していた人が、お金が足りなくなって急遽何品か返品する。
とか、○十円引きと書いてあるシールが、別の品物にくっついてしまっていて、本当の金額が分からなくなってレジの人がパニックになっている。
とか、突然レジの調子が悪くなった、とかその他もろもろ。

これはもう、見極めとかではない、才能の有無の問題だ、そう思うことにしている。
運が悪いのだと思ってしまうとそこで負けなような気がするので、これはあくまでも才能の問題である。

そう思っていたら、なんと私の父も、私とどっこいで才能がなかった。
彼の場合はレジはもちろんのこと、道路の車線においてもまったくの同様であった。

先日ちょっと遠くまで出かけたとき、休みの日ということもあって渋滞に巻き込まれた。
幹線道路で広めだったので、片側で3車線あった。
父は、ここだ、と思った車線につくのだが、どうしてもそこでは車が流れない。
それなのに、隣では動き出している。

すると父は、すぐにその動き始めた車線にうつる。
すると止まる。
さっきまでいた方の車線で流れ始めた。
そんなことを行きも帰りも延々と繰り返していた。

どうやらせっかちも、往々にして列並び失敗に大きく影響する模様である。
そして、上述の才能の有無が、遺伝だということもよく分かってしまった。

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