美肌に心奪われた夜

美肌。という言葉がある。
だが、読んで字のごとく美しい肌といっても色々な肌があるのではないかと思う。
艶のある肌。張りのある肌。綺麗に焼けた褐色の肌。雪の様な透明な肌。

これは僕が学生の頃見た、人生で最も美しいと思った肌の話である。
時は貧乏専門学生である夏。
架空請求や詐欺サイトに騙されても懲りることなく、僕は出会い系サイトにどっぷりとハマっていた。

アルバイトの休憩時間も携帯電話が手放せなかった僕は変わった書き込みを見つける。
「恋人の練習をさせてください」
それだけだ。

出会い系の書き込みとはもう少し詳しく書き込まれていることが多く、なんというかシンプルすぎて目を引く内容だった。
アダルトな掲示板ではなかったのでお茶でもしてデートの練習がしたいという意味だろうか?

それくらいに考えた僕は、学校の課題とアルバイトに忙殺される青春なんて嫌だと思いメールを送った。
意外だったのは、その女性が僕のアパートからそれほど遠くない場所に住んでおり、翌日近くに来るということだった。

しばしのメール交換で打ち解けていた僕たちは、夜に僕のアパートでお茶を飲みながら悩みを聞く約束をした。
悩み相談ほど急接近する可能性の高いシチュエーションは無いだろう。
だが、あわよくばの意識は欠片も無かった。

さて当日。
夜まで待てないものなのです、男性というのは。
その点、女性の方がキモが座ってるケースが多いのは、本質的に、女性の方が切り替え上手なんでしょうね。

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